Fiori
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alphekkaとまるい月
- 閏月の童話
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ある日、眠っていたウロは夢を見ました。
ウロは魂も心も持っていませんが、生まれたときから少しだけ、大きな夢を持っていましたから。
夢を見たウロは、その夢を形にして見たのです。
世界が始まった時に降った根雪は、鳥になって空に舞い戻る夢を見ました。
夜の底で人目につくことのできない闇は、虎になって大地を駆ける夢を見ました。
朝の日に邪魔をされて光を地上に届けられない星は、花になって咲き誇る夢を見ました。
夢に近いウロの見た夢は、夢の夢ですから夢と同じ世界にはいられません。
だからウロの見た夢は、他の夢を見るものがいるのと同じ世界へと落ちました。
ウロはどれも人に何かを与えられぬ己を悔いておりましたから、夢に人の形も与えました。
けれども揃いも揃って初めに見た夢も忘れられませんでしたから、ウロの夢はどれも姿を移ろわせておりました。
それからウロは自分の見た夢が長く続くようにと願っておりましたから、ウロの夢はどれも番いでした。
われわれと同じ世界へ落ちてきたウロの夢は、人と言葉を交わします。
そんな中でウロは、新しい夢を見始めました。
雪のウロは寒さに震える人を守ってやる夢を見ました。
闇のウロは闇に怯える人を守ってやる夢を見ました。
星のウロは豊穣を人に与えてやる夢を見ました。
ですからウロの夢は、人の傍で暮らすことに決めました。
雪のウロが見た夢は人を犯す全てのものから、人を守ると決めました。
闇のウロが見た夢はそこに在る全てのものから、人を守ると決めました。
星のウロが見た夢はたくさんの豊穣を与えて、人を守ると決めました。
ウロの見た夢はもうおりませんが、その子どもたちは今でもわれわれの傍におります。
ですが彼らはしょせんウロの夢ですから、誰かに忘れられてしまえば消えてしまいます。
ですから彼らは人が幸せであって、たまに自分たちの夢を見てくれれば嬉しいと思っているのです。
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